大阪中之島美術館「モネ 連作の情景」に行ってきました

大阪中之島美術館で開催されていた「モネ 連作の情景」に行ってきました。
展示作品のすべてがモネという、かなり思い切った構成の展覧会です。
モネといえば、やっぱり分かりやすいところがいいなと思います。
もちろん奥深い魅力はいくらでもあるのだと思うのですが、難しいことを考える前に、まず「きれいだな」「光がいいな」「この景色、すごいな」と素直に思える。その入口の広さが、とても強いです。
展覧会全体も、モネが同じ場所や同じモチーフを、時間や季節、光の違いの中で描き続けた「連作」に焦点を当てた内容になっていて、とても入りやすい構成でした。
同じものを描いているのに、全然同じに見えない。むしろ、同じものだからこそ違いがよく分かる。あのあたりは、見ていて単純におもしろいです。
今回、個人的にうれしかったのは、マンヌポルトの作品が見られたことでした。
しかも一枚だけではなく、《ラ・マンヌポルト(エトルタ)》と《エトルタのラ・マンヌポルト》という、同じ断崖を描いた作品が展示リストに入っていて、かなりテンションが上がりました。
あの絵を見ていると、子どもの頃に「こんな景色があったらいいのにな」と思いながら描いていた風景を思い出します。
海があって、崖があって、それもただの崖ではなく、少し現実離れした形をしている。いかにも「物語が始まりそう」な地形。
だからこそ、あの景色が実際に存在していて、しかもモネがそこを描いていたのだと思うと、なんだか妙にうれしくなりました。
たぶんモネも、あの景色を見つけたときは、少し子どもっぽいくらいの嬉しさがあったのではないかと勝手に想像してしまいます。
モネは1883年にエトルタに滞在し、この地域の海岸や奇岩を繰り返し描いていたそうです。
マンヌポルトに当たる光は、断崖の形そのものを色と光で際立たせていて、モネはその景色を時間帯ごとの違いの中で追いかけていたのだろうと思います。複数回描いていると知ると、「そりゃ何枚も描くよな」と素直に思いました。


この仕事でもそうですが、分かりやすいものは強いです。
一見して「いい」と思えること。理屈より先に入ってくること。そして、そのあとでいくらでも深く見られること。モネの絵は、その入口の広さがすごいなと改めて感じました。
難解なものを読み解く面白さももちろんありますが、モネはもっと手前でちゃんとつかんでくる感じがあります。
「きれい」「気持ちいい」「この景色すごい」でまず心をつかんで、そのあとで、よく見ると光の扱いや連作の面白さ、構図の工夫など、いろいろ考えたくなる。順番がやさしいんですよね。
そんなことを考えながら見て回っていると、美術館というより、モネの「この景色すごいやろ」を何十枚も見せてもらっているような感覚にもなってきます。
しかもその「すごいやろ」が、ちゃんと本当にすごい。そこがまた良かったです。
今回も、作品そのものはもちろんですが、自分の中にある「こんな景色があったらいいのに」という感覚と、実際に描かれた景色がつながったのがとても印象に残りました。
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